国鉄タキ4700形貨車(こくてつタキ4700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
1956年(昭和31年)3月3日にタキ1700形より2両(コタキ1701、コタキ1702)が日本車輌製造にて改造され形式は新形式名であるタキ4700形(コタキ4700 - コタキ4701)とされた。
その後1960年(昭和35年)3月31日に1両(コタキ4702)が汽車製造にて製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
本形式の他に希硫酸を専用種別とする形式は、タ1370形(3両)、タ1400形(3両)、タ1900形(4両)、タム3500形(6両)、タラ300形(13両)、タサ400形(14両)、タサ2100形(1両)、タキ1450形(1両)、タキ1700形(31両)、タキ4750形(6両)、タキ7600形(2両)、タキ19700形(6両)の12形式がある。
落成当時の所有者は、全車とも日本曹達であり常備駅は大寺駅(1965年(昭和40年)6月1日に磐梯町駅に改称)であった。1966年(昭和41年)12月3日に全車日曹金属(現在の日曹金属化学)へ名義変更された。
ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材)製で荷役方式はタンク上部にある積込口からの上入れ、加圧空気を使用した液出管、空気管による上出し式である。
塗色は、黒であり、全長は9,400mm、台車中心間距離は5,700mm、実容積は20.0m3、自重は15.5t - 16.7t、換算両数は積車4.5、空車1.6、最高運転速度は75km/h、台車は12t車軸を使用したベッテンドルフ式のTR41Cである。
1976年(昭和51年)11月1日に最後まで在籍した2両(コタキ4701 - コタキ4702)が廃車となり同時に形式消滅となった。
参考文献
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
関連項目
- 国鉄の車両形式一覧




